小学4・5年生から始めるセレクション準備|6年生になってからでは間に合わないもの
ジュニアユースのセレクションは、多くの場合、小学6年生の時期に行われます。そのため「準備は6年生になってから」と考えるご家庭も少なくありません。実際、6年生になってから一気に練習量を増やし、結果を出す子もいます。
一方で、セレクションで見られるものの中には、短期間の追い込みでは身につきにくいものがあります。小学4・5年生のうちから少しずつ積み上げておくと、6年生になったときの伸び方が変わってくるものです。
この記事で書いていることを、お子さんの状況に当てはめて聞くこともできます。LINEでは代表の桂陸人が直接お答えしています。
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この記事では、セレクション準備のうち、4・5年生の時期に「何を準備しておくと6年生で効いてくるのか」を、短期間で伸ばせるものと、時間がかかるものに分けて整理します。
6年生からでも伸ばせるもの
体力・スピードは、取り組み次第で変わる
足の速さや持久力は、成長期の体の変化とあわせて大きく伸びることがあります。6年生になってから走り込みや基礎練習を増やし、体の変化と重なって一気に動けるようになる子もいます。
WiRM代表の桂陸人も、自身のコラムで、小学4年生でサッカーを始め、当時はスタメンぎりぎりの「8番目」の選手だったと書いています。小6の4月から親に付き合ってもらい、夜の公園で基礎技術を磨き、朝は走ったこと、夏を過ぎる頃に足が急激に速くなったことを振り返っています。体の面は、6年生からの取り組みでも変化が起きうるということです。
当日の段取りや持ち物の準備
募集要項の確認、申し込み、当日のコンディションの整え方といった実務的な準備は、6年生になってからでも十分に間に合います。むしろ、4・5年生のうちから細かく調べすぎると、親のほうが疲れてしまいます。
6年生からでは間に合いにくいもの
自分で考えてプレーする習慣
セレクションでは、ボールを持っていない時間の動きや、状況に応じた判断も見られます。こうした判断は、「なぜここに動くのか」「なぜこのパスを選ぶのか」を普段から考えているかどうかで差がつきます。
JFA(日本サッカー協会)も、トレセン制度の目標を「チーム強化ではなく、あくまでも『個』を高めること」と説明しています(トレセン概要(JFA))。チームの勝ち負けとは別に、一人ひとりの習慣を育てていく視点は、4・5年生の時期にこそ持っておきたいものです。
考える習慣は、数週間で身につくものではありません。普段の練習や試合のたびに、少しずつ積み重なっていくものです。6年生になって慌てて「考えてプレーしなさい」と言っても、本人の中に考える土台がなければ、何をどう考えればよいのか分からないままになってしまいます。
先ほどの桂も、同じコラムの中で、自分がプロになれなかった本質的な理由を「思考する」という行為を長くサボってきて、それに気づくのが遅すぎたことだと書いています。身体能力で通用していた時期が長かったからこそ、頭を使う習慣のスタートが遅れた、という振り返りです。体は後からでも伸びることがありますが、考える習慣は早く始めるほど、年代が上がったときの支えになります。
振り返りと言語化の習慣
試合や練習のあとに、うまくいったこと、うまくいかなかったことを振り返り、言葉にする習慣も時間がかかるものの一つです。最初は「楽しかった」「わからない」で終わる子がほとんどです。何度も繰り返すうちに、「前半はこうだったから、後半はこうした」と具体的に話せるようになっていきます。
振り返りを言葉にする練習の進め方は、「サッカーの言語化力を伸ばす振り返り方法|ミスの原因を自分で考えられるようになった事例」で具体的に紹介しています。
この力は、セレクションで面談やアンケートがある場合に役立つだけでなく、コーチに言われたことを次のプレーで修正する力や、ミスのあとに気持ちを切り替える力ともつながっています。
毎日続ける力
自主練習や体のケア、睡眠や食事といった生活面の習慣も、6年生になってから急に整えるのは難しいものです。セレクションの直前だけ頑張っても、それまでの積み重ねの差は簡単には埋まりません。
4・5年生のうちから、小さなことを毎日続ける経験をしておくと、6年生で本格的に準備を始めたときに、練習量を増やしても生活のリズムが崩れにくくなります。
4・5年生のうちに家庭でできること
試合のあとに「1つだけ」振り返る
毎試合、細かく振り返る必要はありません。帰りの車や夕食のときに、「今日の試合で、1つだけ次に変えたいことは?」と聞くだけで十分です。答えが出ない日があっても構いません。大事なのは、聞かれることが当たり前になることです。
「なぜ?」を本人に考えてもらう
プレーについて話すとき、親が答えを言うのではなく、「なんでそうしたの?」「ほかにどんな選択肢があった?」と聞いてみます。正解かどうかより、本人が自分で理由を考えて言葉にした経験を重ねることが目的です。
小さな目標を立てて、毎日の行動に落とす
「リフティングを30回できるようになる」「毎日5分、壁当てをする」など、達成できそうな目標を本人に決めてもらい、毎日の行動に落とし込みます。できた日を記録しておくと、続ける力と、目標から逆算して行動する力の両方が少しずつ育ちます。
サッカー以外の生活も整える
早寝早起き、食事、宿題を先に済ませるといった生活の習慣も、4・5年生のうちから整えておきたい部分です。生活のリズムが整っている子は、6年生になって練習やセレクションの予定が増えても、体調を崩しにくく、気持ちにも余裕が生まれます。
4年生と5年生で意識したい違い
4年生は「聞かれることに慣れる」時期
4年生のうちは、プレーについて自分の考えを話すこと自体に慣れていない子がほとんどです。この時期は、上手に答えられるかどうかより、聞かれたら何か答えてみる、という経験を重ねることを目標にします。
「今日はどのプレーが楽しかった?」「どんなときにボールを取られた?」といった、答えやすい質問から始めると、子どもも話しやすくなります。答えが短くても、話してくれたことを受け止め、否定しないことが大切です。
5年生は「理由を言える」ことを目指す
5年生になったら、少しずつ「なぜそうしたのか」を聞く割合を増やしていきます。「どのプレーがよかった?」に加えて、「なぜうまくいったと思う?」と理由を聞くことで、プレーを原因と結果でとらえる習慣がついていきます。
また、5年生の後半になると、6年生でのセレクションを具体的に意識し始めるご家庭も増えます。この時期に、本人が「どんなチームでサッカーをしたいか」を考え始めるきっかけをつくっておくと、6年生になってから受けるクラブを選ぶときにも、本人の意思が反映されやすくなります。
学年より、本人のペースを優先する
ここまで学年ごとの目安を書きましたが、子どもによって成長のペースは違います。4年生でも理由を話せる子もいれば、5年生でまだ慣れていない子もいます。目安はあくまで目安として、本人ができることから一歩ずつ進めていくことを優先してください。
6年生になったときに変わること
6年生の1年間にどんな日程でセレクションが進むのかは、「ジュニアユースのセレクションはいつから始まる|クラブ別の時期のズレと逆算カレンダー」で整理しています。また、当日までの1年で何が差になるのかは、「セレクションに受かる子と落ちる子の違い|当日の数時間ではなく、それまでの1年で差がつくもの」もあわせてご覧ください。
4・5年生のうちに考える習慣や振り返りの習慣をつくっておくと、6年生でセレクションの準備を本格的に始めたときに、いくつかの違いが表れやすくなります。
1つ目は、練習の質です。同じ練習量でも、「今日は何を意識するか」を自分で決めて取り組める子は、一回一回の練習から得られるものが多くなります。
2つ目は、セレクションの結果をどう受け止めるかです。合格でも不合格でも、自分のプレーを振り返り、次に何をするかを考えられる子は、結果に振り回されにくくなります。
3つ目は、進路を自分で選ぶ力です。どのクラブを受けるか、どこに進むかを、親が決めるのではなく、本人が自分の考えを持って話し合いに参加できるようになります。
焦らせすぎないことも準備のうち
4・5年生の時期は、まだサッカーを楽しむことが何より大切な時期です。セレクションを意識するあまり、親が先回りして予定を詰め込んだり、毎試合の結果に一喜一憂したりすると、子どものほうが疲れてしまいます。
準備といっても、特別なことをする必要はありません。普段の練習や試合の中で、少しだけ「考える」「振り返る」「続ける」を意識する。その積み重ねが、6年生になったときに大きな差になっていきます。
記録を残しておくと、成長が見えるようになる
振り返りや目標の達成状況は、簡単でよいのでノートやカレンダーに記録しておくことをおすすめします。1年後に見返すと、「4年生のころは一言しか書けなかったのに、今は理由まで書けている」といった変化が、本人にも親にも目に見えて分かります。
変化が見えると、子どもは自分の成長を実感でき、続ける意欲が生まれます。親にとっても、目の前の試合結果だけでなく、長い目で子どもの成長を見る手がかりになります。書く量は少なくて構いません。1行でも、続いていることに意味があります。
家庭だけで続けるのが難しいときの選択肢
振り返りや目標づくりは、親子だけで続けようとすると、どうしても途中で途切れがちです。親が毎日声をかけると、子どもにとっては「また言われた」となりやすく、親子関係がぎくしゃくしてしまうこともあります。
WiRMの「じりつLABO」では、言語化力・自発力・習慣化力・修正力・逆算力の5つの力をLv.1〜6で見える化し、月ごとの目標設定、毎日のTodo、週1回のオンラインセッション、週ごとのフィードバック、月1回の保護者面談というサイクルで、「自分で目標を立て、行動し、振り返る」習慣を育てています。オンラインで完結するため、地域を問わず受講できます。6年生になる前に、考える土台を少しずつつくっておきたいと考えるご家庭の選択肢のひとつとして、知っておいていただければと思います。
まとめ
・セレクションの準備には、6年生からでも伸ばせるものと、時間がかかるものがある
・体力やスピード、当日の段取りは6年生からの取り組みでも変化が起きうる
・自分で考えてプレーする習慣、振り返りと言語化、毎日続ける力は、短期間では身につきにくい
・4・5年生のうちは、試合後に1つだけ振り返る、「なぜ?」を本人に考えてもらう、小さな目標を毎日の行動に落とす、生活を整える、から始める
・焦らせすぎず、サッカーを楽しむ気持ちを大切にしながら土台をつくる
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ここまでは一般論です。お子さんのことは、直接お聞きください
記事に書けるのは、どのチームにも当てはまる話までです。実際に何が足りていて何が足りないのかは、お子さん一人ひとり違います。
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