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COLUMN

セレクションの面談・アンケート対策|「サッカーで大切にしていること」を自分の言葉で答えるには

セレクションの面談でコーチに自分の考えを話す小学生

セレクションというと、多くの方はゲーム形式や体力測定を思い浮かべると思います。ところがクラブによっては、選考の途中や最終段階で、本人や保護者との面談、あるいは事前・当日のアンケート(書面)が行われることがあります。実施するかどうか、どの段階で行うか、何を聞くかはクラブによって大きく違い、まったく行わないクラブもあります。募集要項や説明会の案内に書かれていることが多いので、まずはそこを確認するのが出発点です。ゲーム形式などで見られるポイントについては、「サッカーのセレクションに受かる子の特徴|見られるポイントと家庭の準備」で整理しています。

そのうえで、もし面談やアンケートがある場合、保護者の方からよく聞くのが「何を聞かれるのか分からない」「うちの子は人前でうまく話せない」という不安です。

この記事で書いていることを、お子さんの状況に当てはめて聞くこともできます。LINEでは代表の桂陸人が直接お答えしています。
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この記事では、セレクションの面談やアンケートで聞かれやすい内容の傾向と、それに対して「模範解答を覚える」のではなく「自分の言葉で答えられる状態」をつくる準備の仕方を、家庭でできる形で整理します。



面談・アンケートでクラブが知りたいこと


プレーだけでは見えない部分を確かめている

ゲーム形式では、技術や判断、球際の強さなどは見えます。一方で、その子がどんな考えでサッカーに取り組んでいるのか、うまくいかないときにどう向き合うのか、クラブの方針と合いそうか、といったことは、短い時間のプレーだけでは分かりにくいものです。

面談やアンケートは、そうした「ピッチの外の部分」を補うために使われることが多いと考えられます。数年間預かる選手を選ぶ以上、クラブ側が本人の考え方や、家庭の通い方・関わり方を知りたいと考えるのは自然なことです。


聞かれやすい質問の傾向

具体的な質問はクラブによって異なりますが、一般的には次のような内容がよく話題になります。

・このクラブを受けようと思った理由

・自分の得意なプレー、苦手なプレー

・サッカーで大切にしていること

・将来どんな選手になりたいか

・最近うまくいかなかったことと、そのときどうしたか

・学校生活や勉強との両立について(保護者向けには通い方や送迎など)

どれも難しい質問ではありません。ただ、普段から考えていないと、その場で「えっと……」と止まってしまったり、どこかで聞いた言葉をそのまま並べてしまったりしやすい質問でもあります。



「模範解答の暗記」がうまくいかない理由


一言目は言えても、二言目で止まる

面談対策として、よくあるのが「志望理由はこう言おう」「大切にしていることは『あきらめないこと』と言おう」と、答えをあらかじめ決めて覚えておく方法です。

一言目はスムーズに出るかもしれません。ただ、面談をする大人は、多くの場合そこから「たとえば、どんな場面で?」「それはなぜ?」と一歩踏み込んで聞いてきます。暗記した答えは、この二言目で止まってしまいます。自分の経験とつながっていない言葉は、掘り下げられると支えがないからです。


同じ言葉が並ぶと、印象に残りにくい

「あきらめない」「仲間を大切にする」「全力でプレーする」。どれも大事な姿勢ですが、多くの受験者が同じ言葉を使います。言葉そのものより、その言葉の後ろにその子自身の体験があるかどうかで、聞き手に伝わる重みは変わります。


本人の自信にもつながらない

覚えた答えを言う面談は、本人にとっても「うまく言えるかどうか」の勝負になり、緊張が増しやすくなります。逆に、自分の経験を話すだけなら、多少言葉に詰まっても内容は自分の中にあります。準備の目的は、上手に話すことではなく、話す中身を本人の中に育てておくことだと考えると、取り組み方が変わります。



「自分の言葉で答える」ための3つの準備


準備1 経験を先に集め、言葉は後から決める

「サッカーで大切にしていることは?」という質問に答えるとき、いきなり答えの言葉を探すと、きれいな抽象語に寄っていきます。順番を逆にして、まず経験を集めます。

たとえば、家庭で次のように聞いてみます。

・最近の試合で、いちばん悔しかった場面はどこ?

・そのとき、どうしていればよかったと思う?

・逆に、うまくいって嬉しかった場面は? なぜうまくいったと思う?

いくつか出てきた場面を並べてみると、その子が無意識に大事にしていることが見えてきます。「ボールを取られたあと、すぐ取り返しに行けたときが嬉しい」という話が何度も出てくるなら、それが本人の「大切にしていること」の候補です。言葉は最後に、本人が言いやすい形で決めればよいのです。


準備2 「なぜ?」を2回まで掘る練習をする

面談で止まりやすいのは、理由を聞かれたときです。家庭で、ひとつの答えに対して「それはなぜ?」を2回まで聞く練習をしておくと、本番の二言目、三言目に強くなります。

たとえば、

・「守備が得意です」

・「なぜそう思う?」→「1対1で抜かれることが少ないから」

・「抜かれないのは、何を気をつけているから?」→「相手の足元より、体の向きを見るようにしているから」

ここまで来ると、「守備が得意」という一言が、その子にしか話せない具体的な内容に変わります。ポイントは、親が答えを言わないことです。本人が「わからない」と止まったら、「じゃあ、次の練習で気にして見てみようか」と宿題にするくらいで十分です。


準備3 書いてから話す

いきなり口で説明するのが苦手な子は、先に短く書いてみると整理しやすくなります。アンケート形式で聞かれるクラブもあるので、書く練習はそのまま対策にもなります。

書き方の型は、シンプルなもので構いません。

・結論(大切にしていること、得意なこと)

・具体的な場面(いつ、どの試合で、何があったか)

・そこから考えたこと、次にどうしたか

この3行が書けるようになると、話すときもその順番で話せるようになります。書いたものを親が添削しすぎると、親の言葉に置き換わってしまうので、直すのは「場面が具体的になっているか」くらいにとどめておくのがおすすめです。



答えに詰まったときの考え方


沈黙はマイナスとは限らない

面談で質問されて、すぐに言葉が出てこないことは珍しくありません。大人でも、初めて会う人の前で自分の考えを話すのは緊張するものです。少し考えてから話すことは、それ自体が悪い印象につながるとは限りません。

焦って思いつきの言葉を並べるより、「少し考えてもいいですか」とひと呼吸おいてから、自分の経験を話すほうが、内容のある答えになりやすいものです。家庭での練習でも、すぐに答えられなかったときに「ゆっくりでいいよ」と待つ経験をしておくと、本番でも落ち着いて考えられるようになります。


分からないことは、分からないと言ってよい

「将来、どんな選手になりたい?」といった質問に、はっきりした答えを持っていない子もいます。小学6年生であれば、それは自然なことです。無理に立派な目標を作って話すより、「まだはっきりとは決まっていませんが、今は○○ができる選手になりたいと思っています」と、今の自分の考えを正直に話すほうが、本人らしさが伝わります。


家庭での模擬練習は、やりすぎない

本番を想定して、親が面接官役になって練習するご家庭もあると思います。何度か通してやってみること自体は、雰囲気に慣れるうえで役に立ちます。ただ、繰り返しすぎると、子どもは「親が喜ぶ答え」を探し始め、自分の言葉がかえって出てこなくなります。模擬練習は数回にとどめ、普段の会話の中で経験を話す機会を増やすほうが、結果的に力になります。



保護者面談がある場合に考えておきたいこと

クラブによっては、保護者が同席する面談や、保護者向けの質問があることもあります。内容は通い方や送迎、費用面の確認、家庭での関わり方などが中心になることが多いと考えられます。

このとき気をつけたいのは、子どもへの質問に親が代わりに答えてしまうことです。緊張して言葉に詰まる子を見ると、つい助け船を出したくなりますが、クラブ側が知りたいのは本人の考えです。事前に「聞かれたことには、ゆっくりでいいから自分で答えようね」と話しておくと、親も子も落ち着いて臨めます。

JFA(日本サッカー協会)は選手育成の考え方として「Players First!(プレーヤーを第一に考える)」を掲げ、子どもたちにとって何が一番良いのかという基準で考えることを大切にしています(選手育成のコンセプト(JFA))。面談の場でも、主役は子ども本人だと考えておくと、親が出すぎずにすみます。セレクション期間の親の関わり方は、「セレクションに受かる子の親がしていること|「やらせる親」より「任せる親」が子どもを強くする理由」でも詳しく書いています。

また、家庭として「どんな選手に育ってほしいか」「子どもの意思をどう尊重しているか」を、夫婦や家族の中で一度言葉にしておくと、保護者への質問にも慌てずに答えられます。



面談の準備は、そのままサッカーの力になる

ここまで書いてきた準備は、面談やアンケートのためだけのものではありません。自分のプレーを振り返り、理由を考え、言葉にする。これは試合中の判断や、ミスのあとの立て直し、コーチの指示を理解して実行する力とも深くつながっています。

振り返りを言葉にする練習の進め方は、「サッカーの言語化力を伸ばす振り返り方法|ミスの原因を自分で考えられるようになった事例」も参考になります。

普段から「なぜそうしたのか」を言葉にしている子は、面談で特別な対策をしなくても、自分の経験から自然に話すことができます。逆に、面談の直前に答えだけを用意しても、話す中身が育っていなければ限界があります。面談対策は、セレクションの数か月前から少しずつ積み上げるものだと考えておくと、焦らずに取り組めます。



家庭だけで続けるのが難しいときの選択肢

とはいえ、振り返りや言語化を家庭だけで続けるのは簡単ではありません。親子だと、聞くほうもつい答えを誘導してしまったり、子どもが面倒がって続かなかったりします。親が「なぜ?」と聞くと、子どもには問い詰められているように感じられることもあります。

WiRMの「じりつLABO」では、週1回のオンラインセッションで、コーチが子どもと1対1でその週のプレーや振り返りを一緒に掘り下げています。言語化力・自発力・習慣化力・修正力・逆算力の5つの力をLv.1〜6で見える化し、毎日のTodoと週ごとのフィードバック、月1回の保護者面談を組み合わせて、「自分で考えて、自分の言葉で話す」習慣を育てる取り組みです。オンラインで完結するため、地域を問わず受講できます。セレクションに向けて、プレー以外の部分も準備しておきたいと感じたときの選択肢のひとつとして知っておいていただければと思います。



まとめ

・セレクションの面談やアンケートの有無・内容はクラブによって違う。まず募集要項や説明会の案内で確認する

・面談では、プレーだけでは見えない考え方や取り組み方が見られることが多い

・模範解答の暗記は、「なぜ?」と掘り下げられた二言目で止まりやすい

・経験を先に集めてから言葉を決める、「なぜ?」を2回掘る、書いてから話す、の3つが家庭でできる準備

・保護者同席の場合は、子どもへの質問に親が代わりに答えないように事前に話しておく

・自分の言葉で話す力は、面談だけでなく試合中の判断や修正にもつながる


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