サッカーのシュート決定力を上げる|ゴール前で落ち着いて決める考え方と練習
「決定的なチャンスなのに、ゴール前で外してしまう」「シュートが枠に飛ばない」。わが子の試合を見ていて、思わず声が出そうになったことはありませんか。
シュート決定力は、強いシュートを蹴る力だけで決まるものではありません。むしろ、ゴール前で何を見て、どこを狙うかという考え方と、普段の練習の習慣が大きく関わります。
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この記事では、ゴール前で落ち着くための考え方、コースの狙い方、自主練のやり方、そして外したときの親の関わり方までを整理します。
シュート決定力は「強さ」より「落ち着き」
外す原因の多くは、力みと焦り
シュート決定力と聞くと、強烈なシュートを思い浮かべるかもしれません。しかし子どものシュートミスを見ていると、力が足りないことより、力が入りすぎていることのほうが多いものです。
チャンスだと思った瞬間に興奮し、力いっぱい蹴ろうとする。体が力み、上半身が浮いて、ボールは枠の外へ飛んでいきます。
ゴール前で必要なのは、ゴールキーパーのいないところへ確実に流し込むことです。強く蹴ることより、狙った場所へ蹴ることを優先する。この順番を親子で共有しておくだけでも、シュートの選び方は変わってきます。
小学生のゴールは、思ったより小さい
JFAの資料「8人制サッカーをしよう」では、8人制のゴールは少年用ゴール(5m×2.15m)が推奨されています。一般のゴールは7.32m×2.44mなので、幅でおよそ2.3m狭いことになります。
ゴールが小さいぶん、なんとなく蹴ったボールはキーパーの守備範囲に入りやすく、少しのズレで枠を外します。小学生年代のうちに、狙って蹴る習慣をつけておく意味はここにもあります。
ゴール前で落ち着くための2つの考え方
キーパーを見る
シュートを外す子の多くは、ボールばかりを見ています。しかし、どこへ蹴るかを決めるのはキーパーの位置です。
キーパーが右に寄っていれば左へ。前に出てきていれば、足元の横を抜くか、浮かせる。空いている場所が、狙う場所です。
理想は、ボールを受ける前にキーパーの位置を一度見ておくことです。受けてから探すと、その間に相手が寄ってきます。受ける前に見ていれば、前を向いた瞬間にはコースが決まっている状態を作れます。これは状況判断全体に通じる考え方で、状況判断を速くする方法でも書いている「見る習慣」と同じものです。
「強く」より「正確に」
ゴール前では、力を抜くくらいの意識でちょうどいいことが多いものです。全力で振り抜こうとすると、軸足や上半身がぶれて、コントロールが効かなくなります。
インステップで振り抜くことだけがシュートではありません。ゴール前の近い距離なら、インサイドで丁寧に流し込むシュートは立派な選択肢です。パスを出すようにゴールへ送る。この感覚を持っている子は、ゴール前で慌てにくくなります。
コースの狙い方
基本は「低く、隅へ」
一般に、キーパーにとって地面を転がる低いボールは取りにくいと言われます。体を倒して手を伸ばすまでに時間がかかるからです。高いボールは派手に見えますが、枠を外す危険も高くなります。
まずは、ゴールの下の隅を低く狙うことを基本にします。迷ったらこれ、という形を一つ持っておくと、ゴール前で考えることが減り、落ち着いて蹴りやすくなります。
ニアとファーを知っておく
キーパーに近い側の隅をニア、遠い側の隅をファーと呼びます。角度のある場所からは、ファー側を狙うのが基本とされます。キーパーの手が届きにくいことに加えて、もしキーパーがはじいても、詰めてきた味方が押し込めることがあるからです。
ただし、キーパーがファーを警戒して動いていれば、ニアが空くこともあります。だから最後はやはり、キーパーを見ることに戻ります。
子どものうちは、原則は一つでいい
細かいコースの理論を覚える必要はありません。小学生のうちは「キーパーのいない方へ、低く、枠の中に」。この一文で十分です。
枠の中に飛べば、キーパーのミスも、はじいたボールを味方が押し込むこともありえます。枠を外せば、そこで終わりです。
シュート決定力を上げる自主練
1. 目標物に当てる
最も手軽で続けやすいのが、狙ったところに当てる練習です。ゴールの隅にペットボトルやマーカーを置き、それに当てるつもりで蹴ります。ゴールがなければ、壁に印をつけても構いません。
大事なのは、毎回「ここを狙う」と決めてから蹴ることです。10本蹴って何本当たったかを数えると、本人も変化が分かりやすくなります。強さは求めません。
2. 動きながら打つ
試合では、止まっているボールを蹴る場面はほとんどありません。ボールを受けて、止めて、すぐ打つ。ドリブルから打つ。この流れを練習に入れていきます。
保護者の方が転がしたボールを、ワンタッチまたはツータッチで狙った隅に蹴るだけでも、十分な練習になります。シュートの前のトラップが整うと、シュートの質は大きく変わります。止める技術はトラップの基礎の記事を参考にしてください。
3. 左右両方の足で蹴る
利き足だけでは、打てる場面が限られます。逆足で強いシュートを打つ必要はありません。まずは近い距離から、インサイドで枠に入れることを目標にします。
4. 蹴る前に一度、顔を上げる
練習の中で、蹴る前に顔を上げてゴールを見る動きを入れます。保護者の方がゴール前に立って左右どちらかに動き、空いた側に蹴る形にすると、「見て、蹴る」の練習になります。
練習量の目安
自主練は長時間である必要はありません。1回15〜20分でも、狙いを決めて続けるほうが身につきやすいと思います。成長期の子どもは蹴りすぎによる痛みが出ることもあるので、膝やかかとを痛がるときは無理をさせないでください。
場面別に考えるシュートの選び方
ゴール前の場面は、毎回同じではありません。よくある場面ごとに、考え方を整理しておきます。
キーパーと1対1になったとき
いちばん緊張する場面です。相手を抜いて走り込むと、全力で蹴りたくなりますが、ここでこそ落ち着きが必要です。蹴る前に一度キーパーを見て、空いている側へ低く流します。キーパーが飛び出してきているなら、横に持ち出す判断もあります。
横からのボールに合わせるとき
味方のクロスやパスに合わせる場面では、強く蹴る必要はあまりありません。ボールの勢いを使い、足に当てる場所とコースだけを考えます。合わせる位置に早く入ることが、シュートの正確さにつながります。
こぼれ球に詰めるとき
味方のシュートやキーパーがはじいたボールは、誰より先に反応した子のチャンスになります。シュートのあとに足を止めないこと。味方が打った瞬間にゴール前へ走り込むこと。これは技術というより習慣で、小学生のうちから身につけられます。
ゴールから遠いとき
遠くから強く打とうとすると、力みやすくなります。遠い場所では、枠の中に飛ばすことを最優先にします。もっと近くの味方にパスを出す判断も、立派な選択です。シュートを打つかどうかを自分で決める力は、試合の経験の中で育っていきます。
試合の映像を見るなら
シュートの場面を動画で見られるなら、親子で一緒に見るのもおすすめです。その場合、結果より「打つ前に何を見ていたか」に注目します。顔が上がっていたか、キーパーの位置を確認していたか、体に力が入りすぎていないか。
決まったシュートも一緒に見てください。うまくいったときの形を本人が言葉にできると、次の試合で再現しやすくなります。
子どもに多いシュートのミスと直し方
ボールが浮いてしまう子は、蹴るときに上半身が後ろに倒れていることが多いものです。軸足をボールの横にしっかり踏み込み、体をかぶせる意識を持つと、低いボールが打ちやすくなります。
ボールが左右にそれる子は、軸足のつま先の向きを確認してみてください。つま先が狙う方向を向いていると、体の向きが整いやすくなります。
ボールに力が伝わらない子は、振りを大きくするより、足の当たる場所を確かめます。ボールの中心に当たっているかを、ゆっくり蹴って確認するところから始めましょう。
試合で外したときの、親の関わり方
外したことより、打ったことを見る
シュートは、外れることの多いプレーです。プロの試合でも、打ったシュートの多くはゴールになりません。
それなのに、外した子を責めると、次からシュートを打つのが怖くなります。パスに逃げるようになると、そもそも決めるチャンスが減ってしまいます。
試合のあとは「あそこで打ったのはよかったね」と、打ったこと自体を認めてあげてください。打ち続けられる子にしか、決定力はついていきません。
反省は、本人の言葉で
「なんであそこで決められないの」ではなく、「あの場面、キーパーはどこにいた?」と聞いてみてください。答えられれば、次に何をするかは本人の中で見えてきます。答えられなくても、次の試合で見ようとするきっかけになります。
外したことを引きずってしまう子には、ミスを引きずる子への記事も役に立つと思います。
まとめ
シュート決定力は、強さよりも落ち着きで決まる部分が大きいものです。ゴール前でキーパーを見て、強く蹴るより正確に、空いたコースへ低く流し込む。小学生のうちは「キーパーのいない方へ、低く、枠の中に」という原則一つで十分です。
自主練では、毎回狙いを決めて蹴ること。そして、外しても打ち続けられること。親が打ったこと自体を認め続けることが、ここぞで決められる選手を育てる土台になります。
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