ジュニアユースの費用|月会費のほかに何がかかるのか
ジュニアユースを検討し始めた家庭から、最もよく聞かれるのが費用の話です。そして最も情報が揃いにくいのも、ここです。
先に断っておきます。金額はクラブ・地域・年度によって大きく違います。この記事で書けるのは相場ではなく、「何にお金がかかるのか」という項目の内訳です。
月会費は、全体の一部でしかない
この記事で書いていることを、お子さんの状況に当てはめて聞くこともできます。LINEでは代表の桂陸人が直接お答えしています。
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多くの家庭が比較するのは月会費です。しかし実際に家計に効いてくるのは、それ以外の項目を合算したときの額です。
一般的に発生しうる項目を並べます。ユニフォーム一式(試合用・練習用・ウィンドブレーカー等)、スパイクやシューズの買い替え、リーグや大会の登録費、遠征費と交通費、合宿費、スポーツ保険、そして定期代やガソリン代。
このうち、入団前に見積もりやすいのは月会費とユニフォーム代くらいです。あとは入ってみないと分からない、というのが正直なところです。
支出は、かかり方で三つに分けて見る
項目を並べただけでは、家計の計画には落とし込めません。そこで、支出を「かかり方」で分けてみることをおすすめします。
一つ目は、毎月決まってかかるもの。月会費や、通う手段によっては定期代がここに入ります。金額が読みやすく、家計の固定費として組み込みやすい支出です。
二つ目は、年に一度や入団時にまとまってかかるもの。入会金、ユニフォーム一式、登録費、保険などです。一度に出ていくので負担感は大きいものの、時期が分かっていれば準備はできます。
三つ目は、時期も金額も読みにくいもの。遠征費、合宿費、大会の参加に伴う費用、そしてスパイクやシューズの買い替えです。家計を圧迫するのは、たいていこの三つ目です。
月会費だけを比べるのは、一つ目だけを見ている状態です。クラブを比較するときは、二つ目と三つ目がどれくらい発生するのかを、それぞれ別に確認するほうが実態に近づきます。
登録費と保険は、仕組みを知っておく
二つ目の中でも、登録費と保険は仕組みを知っておくと説明が理解しやすくなります。
サッカーの選手は、所属するチームを通じて日本サッカー協会(JFA)に登録します。JFAは2022年2月から、第4種(U-12年代)のチームに登録する選手のJFA選手登録料を無料にしました。ただしこのときの改定は第4種が対象で、JFAのチーム登録料や都道府県サッカー協会などの登録料は対象外と明記されています(出典:JFA「第4種(U-12年代)登録チームのJFA選手登録を無料化」 https://www.jfa.jp/news/00029056/ )。小学生のときに意識しなかった登録関係の費用が、中学年代でクラブの請求に含まれてくることがある、と考えておくとよいと思います。
保険については、クラブが団体でスポーツ保険に加入しているケースがあります。たとえば公益財団法人スポーツ安全協会のスポーツ安全保険には、子ども(中学生以下)の団体活動を対象にした加入区分があり、年間の掛金が公表されています(出典:スポーツ安全協会「加入区分、掛金、補償額」 https://www.sportsanzen.org/hoken/kubun.html )。どの保険に入っているか、掛金を家庭が負担するのかはクラブによって違います。説明会で「保険には入っていますか、費用はどこに含まれていますか」と一言確認しておくと安心です。
用具は、成長が買い替えを早める
三つ目の中で見落とされやすいのが、用具の買い替えです。
中学年代は、体が大きく変わる時期です。足のサイズが変われば、スパイクもトレーニングシューズも履けなくなります。ユニフォームや練習着も、サイズが合わなくなれば買い直しになります。
しかもサッカーの場合、天然芝・人工芝・土など、練習や試合を行うグラウンドによって適したシューズが違うことがあります。複数の種類を持つ必要があるかどうかも、クラブの活動場所によって変わります。
これは、どれだけ大切に使っても避けられない支出です。だからこそ「壊れたら買う」ではなく、「年に何回かは買い替えがある」と最初から見込んでおくほうが、家計の計画は立てやすくなります。
だからこそ、聞く相手を変える
クラブの説明会で提示されるのは、たいてい規定の金額です。実際の年間の支出は、そのクラブに子どもを通わせている保護者が一番正確に知っています。
体験参加や見学の際、可能なら在籍選手の保護者に一問だけ聞いてみてください。「月会費以外で、入る前に想像していなかった支出はありましたか」。
この聞き方なら、金額を直接尋ねないので答えやすいです。そして返ってくるのは、だいたい遠征費か送迎の話です。
遠征費は、カテゴリーで変わる
見落とされがちなのが、同じクラブでも所属するリーグやカテゴリーで遠征の範囲が変わることです。
広域のリーグに参加するカテゴリーに上がれば、移動距離も宿泊の機会も増えます。つまり、子どもが伸びて上のカテゴリーに行くほど、家計の負担は増えるという構造になっています。
これを先に知っておくと、上がったときに慌てずに済みます。
送迎は、お金と時間の両方がかかる
遠征費と並んで、在籍保護者からよく出てくるのが送迎の話です。
練習場所が自宅から離れていれば、交通費やガソリン代がかかります。それに加えて、送り迎えをする大人の時間もかかります。平日の夕方から夜の練習であれば、仕事の調整や、きょうだいの予定との兼ね合いも出てきます。
時間は家計簿には載りません。けれど、三年間続けられるかどうかを左右するのは、金額よりもこちらだという家庭もあります。子どもが一人で通える距離なのか、送迎が前提なのか。入団前に確認しておきたい項目の一つです。
見積もりは、一年ではなく三年で考える
ジュニアユースは、基本的に中学の三年間を過ごす場所です。費用も、一年分ではなく三年分で考えておくほうが現実に近くなります。
一年目は入団時の支出が重なります。二年目、三年目は、カテゴリーが上がって遠征が増えたり、体の成長で用具の買い替えが続いたりすることがあります。学年が上がるにつれて、支出の中身が変わっていくイメージです。
最初の一年がなんとかなったから、残りの二年も同じとは限りません。三年間の中で、どの時期にどんな支出が増えそうかを、在籍保護者の話も参考にしながら見ておくと、途中で計画を組み直す必要が減ります。
家計の中で、先に線を引いておく
支出の項目が見えてきたら、もう一つやっておきたいのが、家計の中で無理のない範囲を先に決めておくことです。
遠征や合宿、用具の買い替えは、そのときになると「子どものためだから」と判断しやすい支出です。一つひとつは必要なものでも、積み重なると想定を大きく超えていることがあります。そして、超えてから気づくと、削れる場所を探すことになります。
先に「年間でこのくらいまで」という目安を家庭の中で持っておけば、上のカテゴリーに上がって遠征が増えたときにも、どこで調整するかを落ち着いて考えられます。目安は家庭ごとに違って構いません。大切なのは、金額の大小ではなく、判断の基準を先に持っておくことです。
説明会で確認しておきたいこと
ここまでの内容を、説明会や見学の場で確認できる形にまとめておきます。全部を聞く必要はありません。家庭にとって判断に影響しそうなものから選んでください。
– 月会費に含まれているもの、含まれていないもの – 入会時にかかる費用と、ユニフォーム一式で必須になるもの – 登録費や保険の費用が、どこに含まれているか – 遠征や合宿の頻度と、費用の負担の仕方(その都度の実費か、積み立てか) – 練習場所と時間帯、送迎が前提になるかどうか – 学年やカテゴリーが上がったときに、活動の範囲がどう変わるか
クラブ側から見れば、どれもよく受ける質問のはずです。聞きにくいと感じる必要はありません。むしろ、ここで曖昧なまま入団すると、あとから「聞いていなかった」という行き違いになりやすくなります。
お金の話を、子どもの前でどう扱うか
ここからは私の考えです。
支出の話を子どもに全く見せないのも、逸脱した道だと思っています。自分のために何が使われているのかを知らないままでは、感謝も覚悟も生まれません。
ただし、伝え方には順番があります。「これだけかけているんだから」という使い方をした瞬間、お金はプレッシャーに変わります。プレッシャーになったものは、パフォーマンスを下げます。
事実として伝えるだけにとどめる。見返りを要求しない。これが、家庭の中でお金の話を扱うときの境界線だと思っています。
まとめ
ジュニアユースの費用は、月会費だけを見ても実態に届きません。遠征、用具、登録、送迎。この辺りを合算して初めて、年間の支出が見えます。金額はクラブ・地域・年度で異なります。
支出は「毎月かかるもの」「まとまってかかるもの」「時期も金額も読みにくいもの」に分けて見ること。そして一年ではなく三年で考えること。
入団前にできるのは、在籍選手の保護者に一問聞くことです。「想像していなかった支出はありましたか」。これで、見積もりの精度はかなり上がります。
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記事に書けるのは、どのチームにも当てはまる話までです。実際に何が足りていて何が足りないのかは、お子さん一人ひとり違います。
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