セレクションに受かったあとに伸びなくなる子|合格をゴールにしない設計
セレクションの記事のほとんどは、合格するまでを書いています。でも、本当に難しいのはそのあとです。
受かった子が、入団後の半年で伸びなくなる。これは、珍しいことではありません。この記事では、なぜそうなるのかを、自分の経験も含めて書きます。
合格は、ゴールになりやすい
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セレクションは、家庭にとって分かりやすい目標です。日付があり、合否があり、終わりがある。
だから、この1年のエネルギーがすべてそこに集中します。而して合格した瞬間、目標がなくなる。次の目標を自分で設定できない子は、ここで止まります。
しかも、入団後の環境は厳しくなります。周りは全員、同じ選考を通ってきた子たちです。小学校で一番だった子が、真ん中になる。この変化を、子どもは予想していません。
私自身が、そうだった
正直に書きます。
私は小学4年で本格的にサッカーを始め、広島高陽FCではチームで8番目の選手でした。8人制のスタメンぎりぎりです。そこから小6でサンフレッチェ広島ジュニアユースのセレクションを受け、1次選考の約300名から、最終の3次に残った30名に入りました。
合格しました。中1で背番号10をつけました。でも、そこまでを支えていたのはスピードと身体能力です。ドリブルも、裏抜けも、それで通用した。
上のカテゴリーに行った瞬間、まったく通じなくなりました。そこで初めて、慌てて頭を使い始めた。久保建英が14歳のときにやっていたことを、20歳を過ぎてから始めたわけです。
合格は、ゴールではありませんでした。
伸びなくなる子の共通点
ここからは私の解釈ですが、入団後に止まる子には共通点があります。
一つは、自分がなぜ受かったのかを説明できないことです。受かった理由が分からない子は、入団後に何を伸ばせばいいかも分かりません。
もう一つは、目標を他人に決めてもらってきたことです。セレクションという目標は、クラブが日程を公表してくれます。入団後には、それがありません。
向こう側へ行った選手たちに共通していたのは、目標を定めて、そこから逆算して必要なことを積み上げる能力が物処く優れていたことでした。彼らは14歳の時点で、逆算して生きていました。
合格の直後に、家庭でやること
日常を変える必要はありません。問いを一つ変えるだけです。
合格を知ったあと、一度だけ聞いてみてください。「自分は、何が評価されて受かったと思う?」。答えられなくても構いません。考え始めた時点で、入団後の準備は始まっています。
次に、こう聞く。「中学に行って、どこを伸ばしたい?」。クラブ名ではなく、内容を言わせる。この2つを合格の時期にやっておくと、目標が空白になる期間が短くなります。
12歳の選考は、通過点でしかない
Jリーグ公式が公表した2019年の新人研修参加選手182名の内訳は、大学出身95人(52.2%)、Jクラブアカデミー出身56人(30.8%)、高校出身24人(13.2%)、その他7人(3.8%)でした。2019年時点のデータですが、半数以上が大学経由です。
12歳や15歳の選考は、通過点であって判定ではありません。これは落ちた子への慈めではなく、受かった子への警告でもあります。
私は高円宮杯U-18プレミアリーグのチャンピオンシップで鹿島アントラーズユースに2-1で勝ち、高校年代の日本一になりました。それでもプロにはなれませんでした。肩書きは、結果を保証しません。
まとめ
セレクション合格は、分かりやすい目標であるだけに、ゴールになりやすい。受かった理由を説明できない子と、次の目標を自分で設定できない子は、入団後に止まります。
合格を知った日に、二つ聞いておいてください。「何が評価されて受かったと思う?」と「中学ではどこを伸ばしたい?」。嗜いの日にこそ、この問いが効きます。
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