セレクションのポジション|本職と違う場所を任されたときの考え方
セレクション会場で、こういうことが起きます。普段はトップなのに、サイドバックに入れられる。普段はボランチなのに、センターバックでやることになる。
保護者からは、「あれでは良さが出ない」という声をよく聞きます。この記事では、本職と違うポジションを任されたときに何が起きているのかを整理します。
なぜ本職で使われないのか
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一番大きい理由は、単純な人数の問題です。
サンフレッチェ広島ジュニアユース(2026年度加入)の1次は8人制ゲーム。柏レイソルU-15の1次は「ゲーム形式(GK含む)」で60〜75分。限られた時間とピッチに、何十人を入れなければならない。
当然、希望ポジションは偏ります。全員を本職で使っていたら、ゲームが成立しません。だからポジションの割り振りは、その子への評価とは別の論理で決まっていることが多い。
ここを誤解すると、子どもは「自分は期待されていない」と受け取ってしまいます。そして、その受け取り方が、実際のプレーを下げます。
見ているのは「完成度」ではない
JFAはナショナルトレセンU-14の選考について、「選手の潜在的な力と将来性、個性を重視し、日本代表へつながる選手が対象」と説明しています。数値化された基準は公表されていません。
この発想をポジションに当てはめると、こうなります。本職でどれだけ完成しているかより、慣れない場所で何ができるかのほうが、伸びしろの情報になります。
ここからは私の解釈ですが、慣れないポジションでは、その子の「気づき方」がむき出しになります。本職なら体が覚えていて、考えなくてもできる。だからこそ考えているかどうかが見えない。逆に、見慣れない場所では、周りを見て、質問して、修正するという一連の行動がすべて外から見えます。
任された場所で、やることは一つだけ
子どもに伝えるなら、この一つで十分です。「知らない場所なら、聞けばいい」。
初対面の味方に、「ここはどうする?」と一言聞けるか。これは技術ではないので、本職でなくてもできます。そして、短時間ではっきり見える。
私が14歳のとき、年代別代表で一緒だった久保建英にこう言われました。「敵が右から寄せてきているんだから、左足に出さないとダメでしょ」。14歳です。彼は当時から、自分のプレーにも他人のプレーにも根拠を持っていて、それを言葉にして要求できました。
本職でない場所でこそ、この力は目立ちます。知らないことを知らないと言えて、聞ける。黙ってミスを重ねるより、はるかに良い情報を出しています。
希望ポジションは、伝えていい
申し込み時に希望ポジションを記入する欄があるクラブもあります。そこは正直に書いてください。
ただし、その通りにならなくても問題ないと、子どもに先に伝えておいてください。当日に初めて知ると、そのショックで最初の数分を潰します。最初の数分は、比較対象が少ない分だけ相対的に強く残る時間帯です。
なお、GKは別です。サンフレッチェ広島ジュニアユースの1次にはGK専門テストがあり、柏レイソルU-15のゲーム形式にもGKが含まれます。ここは事前に確定して受ける形になります。
まとめ
セレクションで本職と違うポジションになるのは、多くの場合人数構成の問題であって、評価の表明ではありません。
むしろ、慣れない場所では「考えているかどうか」が外から見えやすくなります。子どもに渡すのは一つでいい。知らない場所なら、味方に聞けばいい。それだけです。
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