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COLUMN

セレクションの体力測定対策|まず一度、50mを実測するところから

「セレクション対策として、何をやらせればいいですか」。この質問に、私はいつも同じことを返しています。まず一度、50mを測ってください。

拍子抜けに聞こえるかもしれません。でも、測らないと始まらないものがあります。この記事では、なぜ実測が最初の一手なのかを、公式データを基に説明します。



選考項目に、実際に入っている

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サンフレッチェ広島ジュニアユースの2026年度加入 1次セレクション。実施要項に書かれている内容は、8人制ゲーム、GK専門テスト、そして50m走です。

川崎フロンターレU-15は試験内容を「実技試験(ゲーム、体力測定等)」と公表しています。つまり走力は、指導者の感覚で「あの子は速いね」と語られているのではなく、ストップウォッチで、秒で測られる。

50m走のタイムは、誰が測っても同じ数字が出ます。ゲームの中の評価は指導者の解釈が入りますが、ここだけは入りません。



平均が、遅くなっている

スポーツ庁の「令和7年度 全国体力・運動能力、運動習慣等調査」(令和7年12月公表)によると、小5男子の50m走の全国平均は9.46秒です。平成24年度は9.36秒でした。

小5女子は9.77秒で、平成29〜30年度の9.60秒から遅くなり、調査開始以来もっとも遅い水準です。令和6年度は男子9.50秒・女子9.76秒、令和4年度は男子9.53秒・女子9.70秒。1週間の総運動時間が420分以上の割合は減少傾向、60分未満の割合は増加傾向です。

ここから導かれるのは一つです。子ども全体の走力が落ちているということは、走れる子の相対的な価値が上がっているということです。



なぜ「対策」ではなく「実測」か

多くの家庭が、ここで順番を間違えます。トレーニングを探すのが先ではない。現在地を知るのが先です。

9.46秒という全国平均に対して、うちの子はどこにいるのか。これを知らないままは、何をやっても効いたかどうかが判定できません。逆に、一度測ってしまえば、半年後にもう一度測るというシンプルな検証ができる。

やり方は簡単です。公園でも校庭でもいい。スマホのストップウォッチで構いません。正確な秒数を出すのが目的ではなく、比べられる基準を家庭に一つ持つことが目的です。

そして、測るのは子どもの仕事ではなく、大人の仕事です。矢印は子どもではなく、私たちに向きます。測らずに「うちの子は普通」と思っているのは、私たちのほうです。



もちろん、こういう反論があるはずだ

一つ目。「足の速さは生まれつきだろう」。生まれ持った要素があることは否定しません。ただ今問題にしているのは日本記録ではなく、9.46秒という平均のまわりの話です。そして総運動時間が60分未満の子が増えているという事実は、その変数がまだ動かせることを示しています。

二つ目。「小学生に走り込みをさせるのは体に悪いのでは」。これは正当な心配です。成長期の身体に対して、特定のトレーニングが効くとも安全だとも、私は断定しません。骨も関節も個人差が大きい。負荷を上げる前に、必ず専門家に相談してください。

私が言っているのは「追い込め」ではなく、「今どこにいるかを知っているか」です。



ただし、フィジカルは入口でしかない

ここは正直に書いておきます。私は小学生の頃、スピードとフィジカルで抜けていました。ドリブルも、裏抜けも、それで通用した。上のカテゴリーに行った瞬間、まったく通じなくなりました。そこで初めて、慌てて頭を使い始めた。遅かったと思っています。

だから「速ければいい」とは絶対に言いません。走力は入口の通行証です。通行証がなければ、そもそも中を見てもらえない。そして中に入ったあとに必要なのは、まったく別の力です。



まとめ

セレクションの選考項目には、50m走や体力測定が実際に含まれています。そして全国平均は遅くなっており、走れる子の相対的な価値は上がっています。

今日、一度だけ、50mを測ってみてください。9.46秒に対してうちの子はどこにいるのか。それを知っているかどうかで、次の一年の使い方が変わります。


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