トレセンの名簿に名前がなかった夜|最初の一言をどうするか
名簿が出ます。そこに、うちの子の名前がない。同じチームの子の名前はある。
この夜に家庭で交わされる会話が、その後の数か月を決めることがあります。この記事は、その最初の一言についてです。
先に、事実を一つ置いておく
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トレセンは、年度ごとに選考が行われる制度です。一度選ばれたら終わりでもなく、一度落ちたら終わりでもありません。今年の名簿は、来年の名簿ではありません。
そして枠は、もともと狭いものです。JFAが公表しているナショナルトレセンU-14(2025年)は、フィールドプレーヤー56名とGK8名。全国でこの人数です。JFAのトレセン認定基準では、U-12は選手10名に対し指導者1名以上、U-14以上は選手16〜22名に対し1名以上に加えGKコーチ1名が必須とされています。ひとりの指導者が見られる人数には上限がある、という前提で制度が組まれています。
枠が狭いのは、誰かの意地悪ではありません。名簿に名前がないことは、その子の能力に対する判定ではありません。
言わないと決めておく三つ
「次があるよ、切り替えよう」。善意の言葉ですが、結果を検証しないまま蓋をします。子どもの中には「自分はダメだった」という結論だけが残ります。
「だから言っただろ、もっと走らないから」。原因をその子の人格に貼りつける言い方です。改善の対象が消えます。
「あのコーチは見る目がないね」。原因を全部外側に置く言葉です。慰めとしては効きますが、この一言を口にした瞬間、こちらから動かせるものがゼロになります。
米国の調査が示している、シンプルな話
ブルース・ブラウンとロブ・ミラーが大学アスリートに聞き取りをした調査で知られている結果があります。競技経験の中で最も嫌だった記憶として挙がったのは、試合帰りの車内での親からのダメ出しでした。逆に最も嬉しかった言葉は「あなたがプレーしているのを見るのが大好きだよ」。評価ではありませんでした。
名簿が出た夜も、同じ構造です。子どもは評価をもう受け取っています。家庭でもう一度評価を渡す必要はありません。
数日置いてから、問いを一つだけ渡す
その日は、何も聞かなくていいと思います。数日置いてから、一つだけ渡してください。
「この一年で、自分がいちばん伸びたと思うところはどこ?」
落選の理由を問う質問から入らないのは、本人がまだ答えを持っていないからです。持っていない問いを投げると、沈黙か言い訳しか返ってきません。
そのうえで、本人が話したそうなら、次の一問へ進みます。「じゃあ、まだ足りていないと思うのはどこ?」。ここまで来れば、次の数か月に何をするかは本人の中から出てきます。
なお、落ち込みが強く、眠れない・食べられない・学校に行けないなど日常生活に影響が出ている場合は、前を向かせようとせず、医師やスクールカウンセラーなどの専門家にご相談ください。
まとめ
トレセンは年度ごとに見直される制度で、枠は制度上の理由で狭くつくられています。名簿に名前がないことは、能力の判定ではありません。
その夜に評価を渡さないこと。数日置いてから、伸びたところを先に聞くこと。順番を変えるだけで、その子が次に進む速度は変わります。
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ここまでは一般論です。お子さんのことは、直接お聞きください
記事に書けるのは、どのチームにも当てはまる話までです。実際に何が足りていて何が足りないのかは、お子さん一人ひとり違います。
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