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COLUMN

セレクション会場で「消える子」の共通点|ボールが来ない時間の使い方

セレクションを見学した保護者から、こう聞くことがあります。「うちの子、全然ボールに触ってなかった」。

これは、技術の問題として語られることが多い。でも私は、ボールが来ない時間の使い方の問題だと思っています。この記事では、会場で「消える子」に何が起きているのかを整理します。



ボールに触っている時間は、想像より短い

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柏レイソルU-15の1次セレクションは「ゲーム形式(GK含む)」で60〜75分。サンフレッチェ広島ジュニアユース(2026年度加入)の1次は8人制ゲームです。

仮に8人制で、交代もある中で15分プレーしたとします。そのう1人がボールに触っている時間は、合計しても数十秒です。つまり、ピッチにいる時間の99%以上は、ボールを持っていない。

これはどの子も同じです。差がつくのは、その99%の時間に何をしているかです。


「消える子」に起きていること

ここからは、その場に立った人間としての私の解釈です。公表された評価基準はありません。

消えてしまう子に共通しているのは、「ボールが来たら勝負しよう」としていることです。待っている。待っている間、何も情報を出していない。

しかも、初対面のメンバーで組むチームでは、ボールは、自分の存在を知らせている子に集まります。呼んでいない子、動いていない子には、性格の悪さではなく、単に見えていないから出さない。こうして、待てば待つほど来なくなるというループに入ります。


待っている時間に、出せるもの

逆に、ボールがなくても出続けられる情報があります。私の解釈では4つです。

一つめは、立ち位置と首の動き。ボールと味方と相手を交互に見ているか。二つ目は、球際に行く一歩目。三つ目は、ミスをした直後の3秒。四つ目は、指示に対する反応の速さ。

この4つは、相手が誰でも、ボールが来なくても、すっと出続けられます。そして、何十人を短時間で見なければならない指導者にとって、常に出ている情報は使いやすい。


「もっとボールをもらえ」と言っても変わらない

帰りの車で「もっとボールをもらいに行け」と言いたくなります。でもこれは、子どもには実行可能な指示になっていません。

「もらう」は相手のある行為です。自分でコントロールできない。実行できるのは、呼ぶこと、動くこと、見ることです。

だから問いの形に変えます。「ボールが来なかった時間、何をしてた?」。この問いに答えられないこと自体は、問題ではありません。今まで誰も聞いてこなかっただけです。聞かれ続けた子は、聞かれる前に自分で考えるようになります。


見えない仕事を、家で評価する

もう一つ、保護者にできることがあります。点を取った日以外にも、褒める材料を持っておくことです。

少年サッカーの試合後、話題になるのは決めた子と抜いた子です。ボールが来なかった側で、誰かが一枚を埋め続けていたことは、まず話題になりません。伸びないのは地味な仕事をしている子ではなく、地味な仕事を誰にも見られていない子です。

次の試合で、一つだけ見るものを決めてください。ボールから一番遠い場所にいるとき、わが子がどこに立っているか。帰りの車で話せることが、確実に一つ増えます。



まとめ

ピッチにいる時間のほとんどは、ボールを持っていません。セレクションで消えてしまう子は、その時間を待ちに使っています。

待っている間に出せるのは、位置取りと首、球際の一歩目、ミス後の3秒、指示への反応の4つ。家では「もっとボールをもらえ」ではなく、「ボールが来なかった時間、何をしてた?」と聞いてみてください。


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